アーキテクチャフレームワーク(AF)

ここでは、EAとして日本でも話題となっているアーキテクチャフレームワークについて説明します。

アーキテクチャフレームワークの位置付け

いろいろあるアーキテクチャフレームワークですが、その適用範囲が大きく2つに分けられます。まずは、下に適用レベルを示します。

アーキテクチャフレームワークの位置付け


この適用レベルにおいて、レベル2とレベル3との間に分かれ目が存在します。レベルレベル4は、個別のプログラム、プロジェクトに対応するレベルです。ある一つのシステムを開発するプロジェクトはこのレベルに相当します。例えば、ある地球観測衛星を開発するプロジェクトなどがこのレベルとなります。このレベルでは、プロジェクトあるいはプログラムの目的が明確にあり、その目的を達成するために衛星システムを開発することとなります。

レベル3は、ミッションレベルであり、地球観測ミッションや深宇宙探査ミッションなど、プログラムあるいはプロジェクトの集合体となります。例えば、地球温暖化防止のために、複数の衛星を開発して、地球を観測するミッションがあるとすれば、このレベルとなります。しかしながらこのレベルにおいても、依然として明確な目的があり、その目的に向かって計画して、個別のレベル4のプロジェクトやプログラムに対応するシステムを開発することとなります。

レベル2はサービス/組織レベルなどがこのレベルにあたります。組織においては、当然ながら内部に個別のミッションを内在しているが、組織として複数のミッションを横断的に実施していくことが必要となってくる。つまりミッション横断的なシステムを開発する場合はこのレベルとなります。

レベル1は省庁レベルであり、その下に複数の組織を抱えるものとなります。各組織間を横断的にシステムを開発する場合はこのレベルとなります。

最後にレベル0ですが、これは国家レベルとなります。国家レベルでは、複数のレベル1を包含しており、この複数のレベル1間の横断的なシステム開発についてはこのレベルでの対応となります。

レベル0〜2は、複数のミッションやプログラムを支えるためのシステムであるために、通常はバックオフィス的な機能を実現するためのシステム開発となります。例えば、経理システムや人事システムなどがこれに相当します。 このレベルでは、いろいろな慣習や仕組みに対応するために、具体的なフレームワークを規定することがむずかしく、抽象的なレベルで規定をとめているフレームワークが多いです。。いわゆるEA(Enterprise Architecture)と呼ばれるものがこのレベルに適用するものとなっています。このレベルに適用するフレームワークの中では、Zachmanのフレームワークが汎用性が高く、わかりやすくなっています。また最も古いフレームワークでもあるため、実際に世界で適用されているフレームワークの多くがZachmanのフレームワークであると言われています。

一方で、レベル3及びレベル4は、明確な目的を果たすためのシステムです。このため、ゴール指向の規定をすることが可能であり、具体的なフレームワークを規定することが可能となっています。C4ISRAFやDoDAFなどがこれにあたります。

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